避難する/しない:判断基準|地震直後に迷わない「残る条件」と「出る条件」

地震後の避難は「行くのが正解」でも「残るのが正解」でもない。大事なのは危険サインで切り分けること。建物の異常・火災/ガス・津波/土砂など“即避難”の条件、在宅避難を続ける条件、決めた後の動き方を手順で整理します。

避難する/しない:判断基準(地震直後に迷わないために)

地震のあと、いちばん迷いやすいのが「避難するか」「家に留まるか」です。

不安が強いと、早く動きたくなります。

一方で、移動そのものが危険になる場面もあります。

ここでは、感覚ではなく危険サインで切り分けるための基準をまとめます。

決めた後にやることも、短い手順で整理します。

このページの結論(判断は2段階)

  • 1)即避難の条件があるか:火災・ガス・建物の危険・津波/土砂など
  • 2)家に留まれる条件が揃うか:安全・水/食・寒暖・体調の見通し
  • 決めたら:動きを増やさず、段取りを固定して実行する

まずは「即避難」の条件をチェックする

迷う前に、先にここだけ確認します。

次の項目が当てはまるなら、在宅避難よりも避難を優先したほうが安全です。

即避難を考える条件(目安)

  • 火災・煙・強い焦げ臭がある
  • ガス臭い、シューッという音がする(無理に操作しない)
  • 建物が危ない兆候(大きな亀裂、天井が落ちそう、ドアが開かない等)
  • 津波・土砂・浸水の危険が高い地域で、避難情報が出ている
  • 余震で倒れそうな物が多く、安全な待機場所が作れない

ポイント:「家が無事そう」に見えても、上の条件があるなら、早めに外へ出たほうが結果的に安全です。

家に留まる条件:そろっていれば在宅避難が成立しやすい

即避難の条件がない場合は、「家に留まれる条件」を確認します。

全部完璧でなくて大丈夫ですが、最低限が揃うほど安心です。

確認ポイント 見たい状態 揃わない時の考え方
建物 大きな亀裂・落下の前兆がない 不安が強いなら避難寄りで考える
火災/ガス 匂い・煙など危険サインがない サインがあるなら避難を優先
待機場所 家具・窓から離れて安全に待てる 安全な場所が作れないなら避難寄り
水・食 最低1〜2日回せる見通し 不足が大きいなら避難で補う
寒暖 低体温/熱中症を避けられる 弱い人がいるなら避難先も検討

ポイント:在宅避難は「家が安全」だけでは足りません。安全に待てる場所最低限回る見通しが揃うと成立しやすいです。

迷いが強い時の決め方:判断を1本化する

情報が少ない時は、判断材料を増やすほど迷いが長引きます。

そこで、決め方を1本に寄せます。

判断を1本にする(例)

  • 危険サインが1つでもある → 避難
  • 危険サインがない + 安全な待機場所が作れる → 在宅避難
  • どちらとも言い切れない → 近い避難先へ一時退避

「一時退避」は、長期避難ではなく、余震が落ち着くまで安全を取りに行く考え方です。

避難すると決めたら:持ち物と動きを最小にする

避難で大事なのは、準備に時間を使いすぎないことです。

持ち物は「生きるための最低限」に寄せます。

避難の持ち物(最低限)

  • 水・食(少量でも)
  • ライト
  • スマホ・充電(あれば)
  • 薬・必要なもの(持病がある人)
  • 防寒/暑さ対策(上着など)

ポイント:持ち物を増やしすぎると移動が危険になります。まずは安全に出ることを優先します。

家に留まると決めたら:やることは「安全の固定」

在宅避難は「家にいる」だけではなく、

次の揺れでもケガしない形を作っておくと安心です。

在宅避難の最小セット(やる順)

  • 安全な待機場所を決める(家具・窓から離す)
  • 通路を作る(寝る場所→玄関)
  • 火元・匂いを再確認する
  • 水と食の配分を決める(飲用は別枠)

家族がいる場合:集合と待ち方を先に決める

避難する/しないで迷いが増えるのは、家族の動きが揃わない時です。

ここは難しい話をせず、短い約束に寄せます。

最小の約束(例)

  • 家の中の集合場所を1つ決める
  • 外へ出るなら集合場所を2つ決める(近い→次)
  • 連絡できたら「無事・場所・次の動き」だけ送る

次に読む:1週間目に向けて生活を戻す段取り

避難する/しないの判断がついたら、次は「生活を回す」フェーズに入ります。

次のページでは、1週間目に向けて何を優先して整えるかをまとめます。