近隣:困ったときの協力の現実|在宅避難の防災マニュアル

在宅避難で困ったとき、近所の助け合いは頼れる反面「距離感」を間違えるとしんどくなります。無理なく続けられる協力の作り方と、頼る/断るの線引きを、現実的な手順でまとめます。

近隣:困ったときの協力の現実|「助け合いで疲れない」距離感の決め方

在宅避難では、近所の人と助け合えると強いです。

ただし、助け合いは良いことでも、距離感を間違えると疲れるし、トラブルにもなります。

だからここは、性格論ではなく線引きを先に決めておくのが安全です。

このページの結論(近隣協力は3つで決める)

  • ① 何を共有するか:情報・道具・人手は別物
  • ② どこまで手伝うか:時間と回数で区切る
  • ③ 断る言い方:断り方を先に用意する

大切なのは「仲良くする」より、困った時に破綻しない形にすることです。

1. 近隣協力は「情報」から始めるのが一番ラク

助け合いでいきなり負担が大きいのは、物資や人手です。

最初に作るべきは、いちばん軽い協力=情報です。

共有すると強い情報(例)

  • 断水・停電の範囲(どこまで止まっているか)
  • 給水・充電・トイレの場所(列の長さも含む)
  • 危ない場所(崩れた塀、割れたガラス、通れない道)
  • 店の営業状況(現金のみ等の条件)

情報共有は「もらう」も「渡す」も軽くできるので、続きます。

2. 次に「道具の貸し借り」は“貸すより一緒に使う”

道具の貸し借りは、返ってこない問題が起きやすいです。

なのでルールはシンプルで、貸すより一緒に使うを基本にします。

トラブルを減らす道具協力

  • 「これ貸して」より「一緒に使います?」が安全
  • 貸すなら小物だけ(電池、テープ、簡単な工具など)
  • 高価なもの(発電機など)は共有ルールを決めてから

道具は「誰のものか」「いつ返すか」で揉めます。

だから最初から、手間が増えない形にしておきます。

3. 人手の協力は「時間で区切る」と続く

人手の協力は、善意が強い人ほど抱え込みます。

だから先に、時間で区切ります。

区切り方の例

  • 「今から30分だけなら手伝えます」
  • 「今日は1回だけなら行けます」
  • 「うちは今は子ども(高齢者)優先で動きます」

こう言えると、助け合いが“消耗戦”になりにくいです。

4. 困りやすい場面別:近隣と組むと強いこと

全部を助け合う必要はありません。

「一緒にやると早いこと」だけに絞ります。

近隣と組むと強い場面

  • 情報:給水・充電・危険箇所の共有
  • 片付け:割れ物・重い物の移動(短時間で)
  • 見守り:高齢者や一人暮らしの安否確認(声かけだけでも)
  • 物資:余り物の融通(足りないより、余りが出る方が多い)

「見守り」も、やりすぎないのがコツです。

無理に踏み込まず、声かけ・返事の確認が基本です。

5. 協力がしんどくなるパターン(先に避ける)

助け合いがしんどくなるのは、よくある型があります。

しんどくなる型(例)

  • 頼まれごとが増え続ける(断れない空気)
  • 情報が混ざる(噂が事実扱いになる)
  • 物資が不透明(誰がどれだけ出したかで揉める)
  • 家の中に入る(境界が曖昧になる)

これを避けるには、次の「線引き」を決めておくのが早いです。

6. 線引きテンプレ:これだけ決める

近隣協力の線引きは、難しく考えなくてOKです。

“自分の家を守る”が先なので、最低限の線を置きます。

線引き(例)

  • 家の中には入れない(基本)
  • 手伝いは短時間(30分/1回など)
  • 物資は「余り」だけ(自分の家が減る提供はしない)
  • 情報は一次情報優先(見た/聞いた/公式)を分ける

これを先に決めておくと、助け合いが“生活の一部”として回ります。

7. 断り方を先に用意しておく(これが一番大事)

断れないと、助け合いは破綻します。

だから断り方は、当日に考えないで、先に用意しておきます。

断り方テンプレ(例)

  • 「ごめんなさい、今は家のことで手がいっぱいで…」
  • 「今日はここまでにして、また落ち着いたら」
  • 「うちは今、子ども(高齢者)を優先に動いてます」
  • 「それは分からないので、公式の情報を見ます」

断るのは悪いことではなく、関係を壊さないための行動です。

8. 平常時にできる“ちいさな準備”

災害が起きてから関係を作るのは難しいので、平常時に軽くやっておくと強いです。

平常時のちいさな準備

  • 挨拶だけはしておく(顔が分かるだけで違う)
  • 自治会や管理組合の掲示を見ておく(連絡ルートが分かる)
  • 「困ったらここで声をかける」場所を決めておく(例:掲示板前)

深い付き合いがなくても、「顔が分かる」は大きな助けになります。

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