断水直後:水を使わない動きへ切替|在宅避難の防災マニュアル

断水が起きた直後は「水を増やす」より先に“水を使わない動き”へ切り替えるのが最短。最初の30分で決めるルール、残っている水の確保、トイレ・衛生・食事の優先順位まで、初日の動きを手順でまとめます。

断水直後:水を使わない動きへ切替(初日の手順)

断水は、気づいた瞬間から「いつもの行動」が全部リスクになります。

トイレを流す、食器を洗う、手を洗う、料理で水を使う。

普段どおりに動くほど、水が一気に減って、あとで詰みます。

だから断水直後は、まず水を確保するよりも先に、水を使わない動きへ切り替えるのが最短です。

このページでは「最初の30分〜初日の終わり」までを、迷わない順番に落とし込みます。

このページの結論(最初にやる順)

  • 1)止める:無意識の水使用を止める(トイレ・洗い物・蛇口)
  • 2)集める:出るなら今のうちに入れ物へ確保
  • 3)分ける:飲む水/料理/衛生/その他で置き場を分ける
  • 4)決める:家のルール(トイレ・手洗い・食器)を固定
  • 5)整える:今日の献立と衛生を「水を使わない前提」に変更

最初の30分でやること(まず破綻を止める)

断水直後は情報も少なく、焦って動くほど消耗します。

最初の30分は、やることを固定の型にしてしまうのが強いです。

順番 やること ねらい
1 家の全員に「断水モード」を宣言 無意識の水使用を止める
2 トイレの使い方を一時固定(後で決め直してOK) 水の消費源を最初に封じる
3 洗い物・洗濯は中止(初日は“やらない”) 生活水の大量消費を止める
4 水が出るなら容器に確保(出ないなら次へ) 今日の余裕を作る
5 飲用系・生活系で置き場を分ける 「どれを使っていい?」を消す

ポイント:断水は「気合で節水」ではなく、ルールで迷いを消すほうが強いです。家の中で判断が増えると、疲れてミスります。

まず止める:水を“勝手に減らす行動”を封じる

断水で水が減る原因は、ほぼ「いつもの癖」です。

初日はここだけ封じれば、持ちこたえ方が変わります。

初日の停止ルール(家で共有する)

  • トイレ:「流す前提」を一旦やめる(詳細は後で整える)
  • 洗い物:食器は洗わない(使い捨て・ラップで逃がす)
  • 洗濯:初日はやらない(着替えの優先順位で回す)
  • 掃除:水拭きはやらない(乾拭き・ウェットで代替)

「トイレだけは流したい」となりがちですが、初日は特に危険です。

ここでいつも通りに流すと、他の用途(飲む・衛生・食事)が全部苦しくなります。

次に集める:出るなら“今だけ”容器へ確保

断水でも、状況によっては「少しだけ出る」「弱く出る」ことがあります。

その場合は、迷わず入れ物へ移しておきます。

確保に使える入れ物(家にあるものでOK)

  • ペットボトル、保存容器、鍋、やかん
  • ポリタンク、給水袋(あるなら最優先)
  • バケツ(生活用の確保に向く)

ここで重要なのは、全部を同じ場所に置かないことです。

置き場を分けるだけで、あとが楽になります。

分ける:飲む水と生活水を“物理的に”分離する

断水中に起きがちな混乱は、だいたいこれです。

「この水、何に使っていいんだっけ?」

迷いが出ると、誰かが勝手に使って揉めます。

だから初日にやるべきことは、用途で置き場を分けることです。

おすすめの分け方(ラベルがなくても“場所”で分ける)

  • 飲む水:キッチンの一角に集約(勝手に減らさない)
  • 料理用:コンロ周り(加熱・湯で戻し用)
  • 衛生用:洗面所周り(手・口・体を最低限回す)
  • その他:玄関・廊下(運搬・トイレ周りに回す)

効果:置き場で分けると、説明がいらなくなります。家族が多いほど効きます。

決める:初日の「トイレ・手洗い・食器」ルール

断水の初日は、生活が一番乱れます。

乱れる原因は、トイレ・衛生・片付けの“基準がない”ことです。

ここは完璧に考えなくていいので、まず暫定ルールを置きます。

初日の暫定ルール(まずはこれで回す)

  • トイレ:流さない前提で運用(専用の方式は別ページで詰める)
  • 手洗い:優先順位を固定(トイレ後・調理前だけ最優先)
  • 食器:洗わない(ラップ・紙皿・使い捨てで逃がす)

この“暫定”を作るだけで、初日の混乱が止まります。

次の日以降に状況が見えたら、細かく最適化すればOKです。

整える:初日の食事と衛生を「水を使わない前提」にする

初日は「普通のごはん」を作ろうとすると失敗します。

水も手間も増えて、片付けで詰まります。

初日は次の発想に切り替えます。

初日の考え方:「栄養」より先に手間と水を減らして安定させる。気持ちと体力を残すほうが翌日に効きます。

初日の食事(こう考えると決めやすい)

  • 温めるだけ・開けるだけ・そのまま食べられるものを優先
  • 食器を増やさない(ワンプレート・使い捨て)
  • 調理するなら「湯を沸かすだけ」で成立する形に寄せる

衛生も同じで、全部をいつも通りに戻そうとすると詰まります。

初日は「最低限」を決めて回すほうが、体調も気持ちも崩れにくいです。

今日中にやっておくとラクになる“追加の整え”

余力があるなら、初日のうちにここまで整えると、明日がかなりラクになります。

  • 水の担当:「誰が出すか」を決める(勝手に減らない)
  • 持ち出しセット:給水に行くなら容器と運び方を決める
  • 情報の確認:自治体の給水・復旧の確認先を家族で統一

ここまで整うと…

  • 「水が足りない不安」が減る
  • 家の中の揉めごとが減る
  • 次に必要な物(買い足し)が見える