持ち出し袋は「たくさん入れるほど安心」ではありません。
避難で本当に困るのは、①暗い・寒い・濡れる、②連絡できない、③薬や身分証がない、この3つが一気に来るときです。
だから中身は、“命を守る順”で揃えるのが最短です。
この記事の結論(最低限の型)
- 光:ライト(+予備電池)
- 連絡:スマホ電源(モバイルバッテリー+ケーブル)
- 身元とお金:身分証コピー・現金(小銭多め)
- 薬:常用薬・処方情報(お薬手帳のコピーでもOK)
- 体温と雨:レインウェア・アルミブランケット
- 水:500ml〜1L(無理のない量)
まず決める:持ち出し袋は「3層」に分ける
袋に全部を詰め込むと、重くて持てずに置いていくことが起きます。
現実的に回るのは、この3層です。
- 層1:いま掴んで出る(最優先)…ライト/電源/身分証・現金/薬/雨寒さ
- 層2:余裕があれば追加…簡易食/衛生/着替え少量
- 層3:家に置く備え…在宅避難用の備蓄(別で管理)
この記事では、層1と層2を「最低限」として組み立てます。
最低限の中身:優先順位つきチェックリスト
優先1:暗さ対策(光がないと全部が止まる)
- 小型ライト(ヘッドライトが扱いやすい)
- 予備電池(ライトが電池式の場合)
スマホのライトは便利ですが、電池切れを早めます。ライトは別で持つのが安全です。
優先2:連絡と情報(電源がないと家族と繋がれない)
- モバイルバッテリー(普段から満充電)
- 充電ケーブル(できれば短めで絡みにくいもの)
- (余裕があれば)小型ラジオ/イヤホン
避難中の「情報不足」は不安を増やします。電源は安心の土台です。
優先3:身元とお金(身分証がないと手続きが進まない)
- 身分証のコピー(免許証・保険証など)
- 現金(紙幣+小銭。小銭は特に助かります)
- 家族の連絡先メモ(スマホが使えない前提で)
優先4:薬(これが欠けると体調が一気に崩れる)
- 常用薬(最低3日分を目安に、無理なら1日分でも)
- 処方内容が分かるもの(お薬手帳のコピーでも可)
- (必要な人)コンタクト用品/眼鏡の予備
優先5:雨・寒さ(体温を落とさない)
- レインウェア(ポンチョでも可。両手が空くものが便利)
- アルミブランケット
- 手袋(薄手でOK)
濡れる→冷える→動けない、が避難の失敗パターンです。雨寒さは“軽いのに効く”最強枠です。
優先6:水(まずは無理なく)
水は重要ですが、重さが最大の敵です。まずは持てる量でOK。余裕が出たら増やします。
ここからが「余裕があれば」:最低限の追加(層2)
簡易食(食べやすさ優先)
- 飴/チョコ/栄養バーなど(少量でエネルギーが出るもの)
衛生(少ない手数で不快を減らす)
- ウェットティッシュ(全身にも使える)
- マスク
- 携帯トイレ 1〜2回分(持てる範囲で)
小さな安心(必要な人だけ)
- 生理用品
- 耳栓/アイマスク
- 子ども用:小さなお菓子/安心できる小物
重さの目安:軽さは正義(持てない袋は“存在しない”)
目安としては、「持って歩ける重さ」が正解です。
- 体力に自信がない人:3〜5kgでも十分
- 一般的な目安:5〜8kg
- それ以上にしたい場合:中身ではなく“分け方”で増やす(家族で分担)
「全部入れたい」は自然ですが、避難は移動がセットです。まずは軽く、確実に。
入れ方:取り出しやすさで失敗が減る
- 外ポケット:ライト/笛/マスク(すぐ使うもの)
- 上の層:電源/身分証・現金/薬
- 下の層:雨寒さ/衛生/食(急がないもの)
袋の中で迷うと、暗い場所で手間取ります。「使う順」で入れるだけで体感が変わります。
家族構成別の“追加”だけ確認(必要な人だけ足す)
- 乳幼児:ミルク関連/おむつ少量/ビニール袋
- 高齢者:服薬情報/予備の眼鏡/体温対策を厚めに
- 持病:薬+症状が伝わるメモ(救急時に役立つ)
- ペット:フード少量/リード/最低限の排泄用品
期限管理:防災は「用意」より「維持」が難しい
持ち出し袋が形だけになる理由は、期限切れが放置されるからです。
- モバイルバッテリー:月1回、充電を“ついで”に
- 薬:処方の更新タイミングで袋も更新
- 水・簡易食:半年〜1年で入れ替え(食べて補充が一番ラク)
よくある失敗(これだけ避ければ完成度が上がる)
- 重すぎる:水や食を詰め込みすぎる(まずは持てる量)
- ライトがない:スマホ頼みで電池が尽きる
- 薬がない:体調が崩れて避難どころではなくなる
- 身分証・現金がない:手続きや移動が止まる
- 玄関から遠い:いざという時に取りに行けない
今日やること(最短)
- ライト/電源/身分証コピー/現金/薬/雨寒さを集める
- 袋に「使う順」で入れる(外→上→下)
- 玄関付近の“取れる場所”に置く